2021年ぱちんこ営業所の閉店状況

2020年12月の警察庁生活安全局保安課の発表数値では、ぱちんこ営業所数は9,035店舗であったが、2021年の1年間で閉店(休業含む)した店舗はどの程度あったのか全国的に調査した。また、エリアや設置台数から、2021年の閉店店舗の傾向をみる。

2021年に閉店(休業含む)したパチンコ店は637店舗となった。 

■エリア別閉店店舗数と昨年比

1年間で店舗が最も減少したエリアは関東で、昨年比 91.7%となった。
次いで、近畿エリア・九州沖縄エリアとなっている。
四国エリアは、閉店店舗数が16店舗で他エリアと比べ最も少なく、減少割合も最も少ないエリアとなった。

■都道府県別

1年間で店舗が最も減少した都道府県は三重県で、昨年比87.5%となった。
次いで、山形県で88%、鳥取県で88.3%となっている。
富山県は昨年比98.4%で、閉店店舗数が最も少なかった都道府県となった。

■設置台数規模別

設置台数規模別でみると、閉店した店舗の中で101台~300台設置の中小型店舗が349件と最も多かった。全体でみると、500台以上設置している大型店舗より、500台以下の店舗の減少が目立った。
また、100台以下の店舗では個人経営の店舗も閉店していく状況がみられ、コロナ禍での遊技客減少や、旧基準機等の撤去問題など設備投資への負担も重なり、資金面での煽りを受けた形となった。

■法人別閉店店舗

まず、2021年1月の法人別店舗数ランクは以下の順となっている。

1.ダイナム 2. マルハン 3. アンダーツリーグループ 4. ガイア 5. 延田エンタープライズ

ここで、2021年の法人別閉店店舗数を見てみると、最も閉店が多かったのは、株式会社ガイアで20店舗以上、次いで株式会社ダイナム・アンダーツリーグループとなった。
アンダーツリーは、閉店数はそれなりにあるものの2021年の新店舗が閉店数を上回り結果的に店舗数を増やしており、年々店舗数を増やし拡大する経営が続いている。
ガイアは、逆に店舗数が減少傾向にあるだけにM&Aが繰り返される昨今、店舗数の企業ランクに変動が起こる可能性が大きいと推測する。また、マルハンは店舗数が300店舗以上あるなか、閉店店舗数が少なく店舗数は現状維持となっている。


2020年からはじまった新型コロナウイルス感染症は、2022年1月現在もなお、全国でオミクロン株による感染が拡大し、先の見えない状況が続いている。
コロナ禍においては、パチンコ遊技者もまた、新しい生活様式や地域によっては、テレワークをはじめとする労働環境が定着し、新型コロナが落ち着きをみせた期間においても、一時的に失ったと思われていた遊技客が戻らないといった行動変容への対応がパチンコ店へ求められる時代に突入した。

2022年は、1月に旧基準機の撤去、続く遊技機価格の高騰、準備が進む「スマートパチンコ」「スマートパチスロ」導入の設備投資への負担、長引くコロナ禍での経営戦略など課題は多い。すでに今年1月の閉店店舗予測をふまえると、昨年より閉店店舗数のペースが上回っており、2022年も厳しい状況が続くことが予想される。特に中小企業店舗への影響が危ぶまれるだけに店舗数の減少は引き続き増加傾向になるだろう。

調査元:シーズリサーチ

※閉店(休業含む)情報は、独自調査
※1:昨年比は、警察庁生活安全局保安課発表による、令和2年の全国遊技場数データから算出