遊技者の回遊動向

■現状把握と課題

2021年2月の客数比較(前年同月比)と遊技客層
パチンコの前年同月比の客数は、4円パチンコが83.5% 1円パチンコが79.9%
パチスロの前年同月比の客数は、20円パチスロが84.5% 5円パチスロが88.8%
となり、昨年ベースでの遊技客の回復率はパチスロの方がやや高くなっている。
参照:営業・客数データからみる遊技者の動向(2月)

2021年2月の貸玉別年代構成

昨年と比較すると、全体的にパチンコは若年層が回復傾向にあり、パチスロは中高年層が回復傾向にある。ただ、全体でみれば昨年の8割程度の回復にとどまっており、この要因として「新型コロナウイルス」だけでなく、「喫煙環境の変化」や「新規則機への移行」など様々な要因が影響している。

最も大きな環境の変化を引き起こした「新型コロナウイルス」は仮にこの状況が収束したとしても、長引くコロナ禍の影響で生活スタイルが変化していることから、「落ち着いたら今まで通りに遊技客が戻ってくるだろう」という淡い期待は崩れ去ったとも言える。

この状況が当面続くことを想定すると、新規客を呼び込むことが難しい。そのため、現状では「いかに既存の遊技客を回遊させ少しでも利益を上げていくことが出来るか」と言った施策も有効であると考える。そこで今回は、2021年2月における約350万件の遊技客の日ごと回遊履歴のデータから、遊技客の回遊行動についてデータを紐解いてみる。

ここで注目すべきは、「遊技区分における貸玉間の移動や、パチンコ・パチスロ間の回遊施策の戦略はどの程度効果的であるか」という点である。

まず始めに、2019年6月からのパチンコ・パチスロ総設置台数比率をみる。

設置台数比率

■パチンコ・パチスロ設置台数比率

■パチンコ遊技貸玉レート別設置比率

■パチスロ遊技貸玉レート別設置比率

2019年6月からパチンコ・パチスロの設置台数比率にほとんど変化はないが、
パチンコ・パチスロともに4円と20円がやや微増し、低貸しの比率が減っている。

では、本題となる遊技客の回遊データをみてみる。

■「パチンコ」「パチスロ」それぞれの台移動データ

 

「パチンコ↔パチンコ」「パチスロ↔パチスロ」間の移動が8割以上となり、特にパチンコ遊技者は約90%がパチンコ間で移動している。また、パチンコ↔パチスロ間の移動はパチスロ遊技者の方が高い。

次に、各貸玉を基準としたパチンコ・パチスロの移動率をみてみる。

<パチンコ>

 

 

パチンコは同レート間の移動が8割を超え、特に1円間の移動率がとても高い。

<パチスロ>

 

パチスロでも同レート間の移動が高いが、5円の遊技者は他に比べ移動する割合が比較的高い。

以上のことから、遊技客の移動は同レート・同一区分間での移動が一番多く、その他の移動はどの区分値をみても2割を切る結果となった。また、4円パチンコの一人あたりの粗利金額が最も高いことに加え、パチンコの低貸し割合がパチスロに比べ高いことから「1円のパチンコ遊技者を4円パチンコへ」と回遊施策を試みたいところではあるが、1円パチンコ遊技者は他の区分にほぼ移動しないため、回遊は難しいと考えるのが妥当である。

最後に、同レート・同一区分での回遊導線を施策するのが一番効果的ではあるが、その他の移動で可能性がありそうな客層は4円パチンコと20円パチスロ間での回遊が狙い目となる。加えて5円パチスロの遊技者は他のレートや他遊技への回遊が比較的高いので、設置店舗の台数次第ではこの客層も視野に入れた回遊戦略もひとつ有効であると考える。

調査元:シーズリサーチ
データ元:EXSIM2(グローリーナスカ株式会社)
※本データは、日毎集計のため、日をまたいでの回遊は加味しておりません。