2022年ぱちんこ営業所の閉店状況

2021年12月の警察庁生活安全局保安課の発表数値では、ぱちんこ営業所数は8,458店舗であったが、2022年の1年間で閉店(休業含む)した店舗はどの程度あったのか全国的に調査した。また、エリアや設置台数から、2022年の閉店店舗の傾向をみる。

2022年に閉店(休業含む)したパチンコ店は854店舗となり、1割以上のパチンコ店が閉店した。

■エリア別閉店店舗数と昨年比

1年間で店舗が最も減少したエリアは関東で、昨年比88.8%となった。
次いで、近畿エリア、中部エリアの順となっている。
閉店店舗数の割合が最も低いエリアは、四国エリア、九州・沖縄エリアで昨年比91.3%となった。

■都道府県別

1年間で店舗が最も減少した割合が高い都道府県は山口県で、昨年比82.3%となった。
次いで、群馬県で86.2%、長崎県で86.4%となっている。
沖縄県は昨年比98.6%で、閉店店舗数の割合が最も低い県となった。

■設置台数規模別

設置台数規模別でみると、閉店した店舗の中で101台~300台設置の中小型店舗が464件と最も多かった。一方で1,000台以上設置している大型店舗は、昨年比99.4%とあまり閉店店舗数の増加は見られなかった。101台~300台設置の中小型店舗では、コロナ禍での遊技客減少だけでなく、旧基準機等の撤去問題やスマスロの設備投資の負担なども、閉店や休業の判断材料になったと考えられる。
店舗形態で見ると、パチスロ専門店の閉店が増加しており、パチスロだけでの店舗運営が難しい状況になっていることが窺える。

■法人別閉店店舗

まず、2022年1月の法人別店舗数ランクは以下の順となっている。

1.ダイナム 2. マルハン 3. アンダーツリーグループ 4. ガイア 5. 延田エンタープライズ

ここで、2022年の法人別閉店店舗数を見てみると、最も閉店が多かったのはアンダーツリーで、ついでガイアとなった。アンダーツリーは中小規模の店舗を中心に20店舗以上閉店したが、1,000台規模の大型店を複数出店しており、企業としての勢いは衰えていない。また、ガイアはM&Aによる売却や閉店を繰り返す中で、店舗数が減少傾向にあるが、100店舗台をキープした。
ダイナム・マルハンは店舗数でみると小幅な減少にとどまっており、ダイナム・マルハンの二強体制は依然として健在である。ダイナムはグループで全国に400店舗以上と圧倒的店舗数で、業界を牽引。マルハンも300店舗以上と、店舗数を維持している。


2022年はコロナ禍からの回復途上の中で、行動制限のない1年となった。一方、ウクライナ侵攻や世界的な物価高、資材不足などがパチンコ業界にも大きな影響を及ぼした。
パチンコ業界では1月に旧基準機の撤去が終わり、パチスロに対する不安の声が聞かれたが、6.5号機やスマートパチスロで高稼働した機種が登場したこともあり、今後の営業に明るい兆しが見えた。ただし、スマートパチスロ導入の設備投資に対する負担を懸念する声やパチンコ客の店内移動に留まったといった声も聞かれており、長期化するコロナ禍で戻らない客足以外にも課題は多い。

2023年はスマートパチンコの導入も予定されているが、スマートパチスロと同様に設備投資への負担も懸念されており、投資リスクも含め先行きが分からない状況は続くだろう。
今年1月の閉店店舗数は前年を下回っているが、店舗数の減少から考えると100~300台規模のパチンコ店を抱える中小企業では引き続き厳しい状況が続くことが予想される。

調査元:シーズリサーチ

※閉店(休業含む)情報は、独自調査
※昨年比は、警察庁生活安全局保安課発表による、令和3年の全国遊技場数データから算出